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矯正治療は痛い?!いつ痛みがでる?その対象法は?
こんにちは。
中目黒南口改札より徒歩1分の歯医者・歯科「中目黒BIANCA歯科矯正歯科」院長の宍戸です。
夜や朝は窓を開けたままにしておくと体が冷えるようになってきましたが、日中はまだ暑く、寒暖差もあります。体調を崩さないようにしましょう。
今回は、中目黒BIANCA歯科矯正歯科で多く行っている治療、矯正治療についてです。
「歯の矯正治療に興味はあるけれど、痛みがあるの?意外に知らなかった」という声もよく聞きます。矯正治療は年単位で行われます。
実際に歯の矯正治療には正直痛みを感じる時間はあります。では、それが具体的にどのような痛みがあるのか、痛みが続く期間やその対処法どうなのかと、そちらを詳しく知っている方は少ないと思います。
そこで今回は、歯の矯正治療でどのような痛みが発生するのか、痛みが出るタイミングやどれくらいの期間続くのかについて詳しく解説します。さらに、痛みを軽減する対処法もご紹介しますので、現在矯正中の方や今後矯正を考えているという方は、ぜひ参考にしてください。
まずは歯の痛みがあるかないかからお話しします。
矯正中って歯は痛いの?
結論から申し上げると、残念ながら、痛みはでてしまいます。
歯の矯正治療には、ワイヤー矯正やマウスピース矯正などいくつかの種類があります。過去のコラムでも紹介しておりますので、よければ参考になさってください。
痛みをできるだけ避けたいと思うかもしれませんが、どちらの方法を選んでもある程度の痛みは避けられません。
ただし、その痛みは虫歯のようなズキズキした鋭い痛みではなく、歯が圧迫されて動くことによる違和感や鈍い痛みです。
痛みの感じ方には個人差があり、強く痛みを感じる人もいれば、ほとんど気にならない患者様もいます。矯正治療に伴う痛みの主な原因は、歯が動く過程で生じるものです。
歯が正しい位置に移動していることで生じる痛みは、治療が順調に進んでいる証拠でもあります。そのため、痛みを治療の進展を示すポジティブなサインと捉えられれば、より前向きに痛みに対処できるかもしれません。痛みをなるべく感じたくない気持ちはとってもよくわかります。
では、それがいつ起きるのでしょうか。
矯正治療でいつ歯が痛むの?
ワイヤー矯正とマウスピース矯正の痛みの違いについて
歯の矯正治療には、主にワイヤー矯正とマウスピース矯正の2つの方法があります。どちらの方法を選んでも痛みは伴いますが、一般的にワイヤー矯正の方が痛みを感じやすいとされています。
ただし、痛みが出るタイミングはどちらの方法でもほぼ同じで、治療中ずっと痛いわけではありません。痛みが生じるのは、以下のようなタイミングです。
1. 歯が動くとき
ワイヤー矯正でもマウスピース矯正でも、歯が移動するときに痛みが生じます。矯正治療では、歯が少しずつ移動するために顎の骨(歯槽骨)が吸収され、再生される過程が繰り返されます。
歯槽骨が溶けるときには「プロスタグランジン」という物質が放出され、それが圧迫されるような痛みの原因となります。ワイヤー矯正では月に1回のワイヤー調整、マウスピース矯正では1~2週間ごとのマウスピース交換のタイミングで歯が動きやすくなり、痛みが出やすいです。
この痛みは通常、調整や交換から3~6時間後に始まり、36時間後が痛みのピークとされています。マウスピース矯正では1枚のマウスピースで動かせる歯の距離が最大0.25mmなので、ワイヤー矯正に比べて痛みが少ない傾向がありますが、完全に痛みがないわけではありません。
2. 矯正装置が口の中に当たるとき
矯正装置が頬の内側や舌、歯肉に当たると、口内炎や傷ができて痛みを感じることがあります。特にワイヤー矯正では、歯の移動に伴ってワイヤーが露出し、それが口の粘膜に刺さって痛みを引き起こすことがあります。また、ブラケットが口内の粘膜に擦れて痛みを感じることもあります。
一方、マウスピース矯正は口の中で当たる部分が少ないため、痛みを感じることは少ないです。ただし、マウスピースの縁が歯肉に当たることによって痛みを感じることはありますが、口内炎などのリスクはワイヤー矯正よりも低いです。
3. 食べ物を噛むとき
歯が移動している時期は、食事中に噛む動作が刺激となり、痛みを感じることがあります。特に、矯正治療を始めた直後や、ワイヤーの調整後、新しいマウスピースに交換した直後には、噛む際の痛みが強くなることがあります。
4. 虫歯や歯周病があるとき
矯正治療は虫歯治療を終えてから始めることが一般的ですが、矯正中は歯磨きが難しくなるため、虫歯や歯周病のリスクが高まります。特にワイヤー矯正は装置を取り外せないため、歯磨きがしづらく、口の中を清潔に保つのが難しいです。
一方、マウスピース矯正は食事や歯磨きの際に装置を外せるため、比較的口内を清潔に保ちやすいです。しかし、マウスピース自体の清潔さも重要です。汚れたマウスピースを使い続けると、虫歯や歯周病のリスクが高まります。したがって、マウスピースもこまめに清掃することが大切です
では、痛みはどれくらい続くのでしょうか。
歯の矯正治療中の痛みはどれくらい続く?
歯の矯正治療では、強い痛みが長期間続くことはあまりありませんのでそこはご安心ください。ただし通常、矯正器具を装着・調整してから3~6時間後に歯が動き始め、痛みを感じることが多いです。
特に、治療開始後や調整直後の2~3日間は痛みが強くなりがちですが、徐々に和らぎ、1週間ほどでほとんど気にならなくなることが一般的です。食事の際に感じる痛みも同様で、時間とともに軽減します。しかし、痛みが長期間続く場合は、矯正器具が当たっている、虫歯や歯周病が発生しているなどの他の原因があるかもしれません。
歯の矯正治療中の痛みへの対処法
矯正治療中の痛みは避けられないものですが、少しでも軽減したいと思う方も多いますので、以下矯正治療中の痛みを和らげる方法をご紹介します。
1. 痛み止めを服用する
矯正器具の装着・調整後の数日間、強い痛みを感じる場合は、痛み止めを服用するのが効果的です。ただし、痛み止めの種類によっては矯正による歯の移動に影響を与える可能性があります。必ず担当の歯科医師に相談して処方してもらいましょう。
矯正治療は炎症を利用して歯を動かすため、炎症を抑える薬を使うと治療が遅れる可能性があります。
2.食事内容に気をつかう
矯正治療中、特に治療直後や調整後の痛みがあるときは、硬い食べ物を避け、歯に負担の少ない柔らかい食べ物を選びましょう。おかゆやうどんなどが適しています。
治療期間中ずっと食事に制限があるわけではなく、痛みが和らいだ後は少しずつ通常の食事に戻せます。
3. 矯正器具が口に当たらないように調整する
ワイヤーが口内に当たって痛い場合は、担当の歯科医師に相談してワイヤーの長さを調整してもらいましょう。また、矯正装置が粘膜に当たって痛む場合は、矯正用ワックスを使うと痛みが軽減します。ワックスは装置と粘膜の間に貼る保護剤で、市販されていますが、歯科医師に相談して使用するのが望ましいです。
4. 虫歯や歯周病にならないようにケアを徹底する
矯正装置を装着していると、歯磨きがしづらくなり虫歯や歯周病のリスクが高まります。特にワイヤー矯正の場合は、装置の周りや歯のすき間を丁寧に磨くことが重要です。
マウスピース矯正の場合は、食事や歯磨き時に装置を外せるため、歯磨きは通常通り行えますが、マウスピースの清潔さを保つために、定期的な洗浄も必要です。専用の洗浄液を使用することも推奨されます。
5. 担当の歯医者に相談する
痛みが4日以上続いたり、夜眠れないほどの強い痛みがある場合は、担当の歯医者さんに相談してください。装置を調整することで痛みが緩和されることもあります。
また、歯の移動による痛みではなくズキズキした痛みを感じる場合、虫歯が原因かもしれません。その場合は、まず虫歯の治療を優先するのが一般的です。
一般的に矯正歯科医院での虫歯治療、歯周治療をすることはありませんが、中目黒BIANCA歯科矯正歯科では、同時に治療を行うことが可能です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
あくまで一般論ですが、マウスピース矯正はワイヤー矯正よりも痛みが少ないとされています。しかし、どちらの方法を選んでも、残念ながら歯が移動する際の痛みは避けられません。
痛みの原因やタイミングを理解しておくことで、痛みが発生した際に冷静に対処できるでしょう。これにより、必要以上に不安を感じることなく、前向きに矯正治療を進めることができます。
痛みの感じ方には個人差があるため、もし痛みが強かったり不安を感じたりする場合は、担当の歯科医師に相談しましょう。歯科医師とのコミュニケーションをしっかりとることで、矯正治療をスムーズに進めるための大切なサポートとなります。
監修
院長 宍戸 孝太郎
資格・所属学会
- 厚生労働省認定歯科医師臨床研修医指導医
- SBC(Surgical Basic Course 歯周形成外科コース)インストラクター
- SAC講師
- club SBC
- 日本口腔インプラント学会認定医
- 日本口腔外科学会会員