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鏡を見たときや写真を撮ったとき、以前よりも自分の歯が黄ばんで見えることにショックを受けたことはありませんか?清潔感あふれる白い歯は、第一印象を大きく左右する重要な要素です。ドラッグストアには「ホワイトニング」と書かれた歯磨き粉やケアグッズが数多く並んでいますが、「使ってみたけれど効果が実感できなかった」「どれを選べばいいのか分からない」という声を診療室でもよく耳にします。実は、市販のグッズと歯科医院で行うホワイトニングには、使用できる薬剤の成分に法的な「決定的な違い」が存在します。この記事では、なぜ歯科医院だと歯が白くなるのかというメカニズムの違いや、あなたのライフスタイルに合わせた最適なホワイトニング手法の選び方についてご案内致します。
なぜ歯医者だと白くなる?「オフィス」と「ホーム」のメカニズム
まず結論から申し上げますと、歯科医院で行うホワイトニングと市販のホワイトニング製品の最大の違いは、「過酸化水素」などの漂白成分を使用できるかどうかにあります。日本の薬機法では、歯そのものの色を内側から分解して漂白する成分は、歯科医師や歯科衛生士の管理下でしか使用が認められていません。市販の歯磨き粉はあくまで「表面の汚れ(ステイン)を落とす」ことに留まりますが、歯科医院のホワイトニングは「歯の色素そのものを分解して白くする」ことが可能です。
歯科医院で提供するホワイトニングには、大きく分けて以下の2つの手法があります。
- オフィスホワイトニング 歯科医院に通院して行う方法です。高濃度の薬剤を歯に塗布し、専用の特殊な光を照射して薬剤の反応を促進させます。その日のうちに白さを実感できる即効性が最大の特徴で、急なイベントを控えている方に選ばれています。
- ホームホワイトニング 患者様専用のマウスピースを作製し、ご自宅で低濃度の薬剤を入れて装着していただく方法です。効果が出るまでに2週間〜1ヶ月ほどかかりますが、薬剤が歯の内部までじっくり浸透するため、オフィスホワイトニングよりも透明感のある白さが長持ちしやすいという特徴があります。
このように、同じ「白くする」という目的でも、アプローチ方法や期間、得られる白さの質には明確な違いがあります。
「しみるのが怖い」は本当?痛みが出る原因と対処法
ホワイトニングに興味はあるものの、「友人がすごく痛がっていた」「歯がしみるのが怖い」という話を聞いて、二の足を踏んでいる方は少なくありません。確かに、高濃度の薬剤を使用する以上、知覚過敏のような「しみる痛み」が出る可能性はゼロではありませんが、そのメカニズムと対処法を正しく知っていれば、過度に恐れる必要はありません。
痛みが出る主な原因は、薬剤の化学反応によって歯の表面を覆っている保護膜(ペリクル)が一時的に剥がれたり、エナメル質の薄い部分や見えないヒビ(クラック)から、薬剤の刺激が内部の神経に伝わってしまうためです。特に、歯ぎしりで歯の先端がすり減っている方や、隠れた虫歯がある方は痛みを感じやすい傾向にあります。しかし、この痛みはあくまで一時的な反応であり、通常は施術後24時間以内には治まりますので、歯が壊れてしまったわけではありません。
また、近年の歯科医療では「痛みの軽減」も重要視されており、薬剤自体も改良が進んでいます。さらに、歯科医院で施術を受けることには、以下のような安全面での大きなメリットがあります。
- 事前の徹底的なチェック 虫歯や亀裂がある状態で薬剤を使うと激痛の原因になります。プロが事前に口腔内を確認し、必要であれば先に治療や保護処置(ガード)を行うことで、トラブルを未然に防ぎます。
- 知覚過敏抑制剤の使用 施術中や施術後に、しみるのを防ぐための薬剤(シミ止め)を使用したり、コーティングを行ったりすることで刺激を最小限に抑えます。
- 濃度のコントロール 特にホームホワイトニングの場合、患者様の歯の質に合わせて薬剤の濃度を調整できます。痛みに敏感な方には、低濃度のジェルからスタートするご提案も可能です。
「美しさ」のために「苦痛」を我慢する必要はありません。違和感があればすぐに相談し、調整できる環境で行うことが、快適に白い歯を手に入れるための近道です。
効果はどれくらい続く?白さを長持ちさせる「食事」と「ケア」
ホワイトニングで手に入れた白さは、残念ながら「一生モノ」ではありません。髪のカラーリングの色が少しずつ抜けていくのと同じように、歯も時間が経てば徐々に元の色に戻ろうとします。これを「後戻り(リバウンド)」と呼びます。
効果の持続期間は個人差がありますが、一般的にオフィスホワイトニングでは3ヶ月〜半年程度、ホームホワイトニングでは半年〜1年程度で、色戻りが気になり始めることが多いです。しかし、日々の生活習慣やケアの方法を少し工夫するだけで、この期間を延ばし、美しい状態を長く保つことが可能です。
特に重要なのが、施術直後の飲食です。ホワイトニング直後の歯は、表面の保護膜が一時的に失われており、普段よりも外部からの色素を吸収しやすい(着色しやすい)デリケートな状態にあります。少なくとも施術後24時間〜48時間は、以下の「色の濃い飲食物」や「酸性の強いもの」を避けることが推奨されます。
- 要注意な飲食物(ポリフェノールや色素が多いもの) コーヒー、紅茶、赤ワイン、カレーライス、ミートソース、チョコレート、醤油やソース系の料理など。
- 喫煙 タバコのヤニ(タール)は強力な着色汚れの原因となるため、直後の喫煙は特に避けるべきです。
もちろん、これらを一生我慢する必要はありません。色の濃いものを食べた後はすぐに水で口をゆすぐ、早めに歯磨きをする、といった習慣をつけるだけでも着色の定着を大幅に防げます。また、色が気になり始めたタイミングで再度軽いホワイトニングを行う「タッチアップ」を定期的に取り入れることが、常に白い歯をキープする秘訣です。
あなたに向いているのはどっち?ライフスタイル別のおすすめ選択
ここまで2種類のホワイトニングについて解説してきましたが、「結局、自分にはどちらが合っているの?」と迷われる方も多いでしょう。どちらが良い・悪いという優劣ではなく、ご自身の性格や目標とする期日、ライフスタイルに合わせて選択することが重要です。判断の目安となるポイントを整理しました。
オフィスホワイトニング(院内施術)がおすすめの方
- 「いつまでに」という期限が決まっている方 結婚式、就職面接、大切なイベントが数日〜1週間後に迫っている場合、即効性のあるオフィス一択となります。
- ご自宅での細かい作業が苦手な方 「毎日マウスピースを洗って、薬を入れて装着する」という管理が面倒だと感じる方や、仕事が不規則で決まった時間に装着するのが難しい方は、通院して全てプロに任せるスタイルが向いています。
ホームホワイトニング(自宅施術)がおすすめの方
- 透明感のある自然な白さを目指したい方 時間をかけてじっくり薬剤を浸透させるため、色の後戻りが遅く、透き通るような自然な仕上がりになります。
- 通院回数をなるべく減らしたい方 最初の型取りと受け渡しさえ終われば、あとはご自身のペースで進められるため、頻繁な通院が難しい方に適しています。
- 費用対効果を重視する方 初期費用はかかりますが、薬剤を追加購入するだけで安価に継続・再開(タッチアップ)ができるため、長い目で見ると経済的です。
また、予算や時間に余裕がある方には、この2つを併用する「デュアルホワイトニング」という選択肢もあります。オフィスの「即効性」とホームの「持続性」の両方を手に入れられるため、芸能人のような輝く白さを最短期間で実現したい方には最強の組み合わせと言えます。まずはカウンセリングで、あなたの「なりたい理想」をお聞かせください。
まとめ
今回は、歯科医院で行うホワイトニングの効果や仕組み、そして市販品との決定的な違いについて詳しく解説しました。歯を白くすることは、単に見た目の色を変えるというだけでなく、コンプレックスを解消し、思いっきり笑えるようになることで、自分自身の気持ちや周囲に与える印象までポジティブに変える力を持っています。
最近ではインターネット等で手軽にケアグッズが手に入りますが、やはり医療機関でしか扱えない薬剤の「確実性」と、お口のプロフェッショナルが管理する「安全性」には代えられません。自己流のケアで効果が出ずに悩んだり、歯茎を傷めてしまったりする前に、専門家に頼ることが、結果として最も安心で、最短距離で理想の白さに近づく方法です。
当院では、患者様一人ひとりの歯の質やライフスタイル、ご予算に合わせた最適なプランをご提案することを大切にしています。「痛みは大丈夫?」「どれくらいで白くなる?」といった些細な疑問でも構いませんので、まずはカウンセリングであなたのお悩みをお聞かせください。清潔感あふれる白い歯で、もっと素敵な笑顔を手に入れましょう。
監修
院長 宍戸 孝太郎
資格・所属学会
- 厚生労働省認定歯科医師臨床研修医指導医
- SBC(Surgical Basic Course 歯周形成外科コース)インストラクター
- SAC講師
- club SBC
- 日本口腔インプラント学会認定医
- 日本口腔外科学会会員






