目次
マウスピース矯正を行なって後悔する可能性のあることと後悔しないために知っておいた方がいいこと!
こんにちは。
中目黒南口改札より徒歩1分の歯医者・歯科「中目黒BIANCA歯科矯正歯科」院長の宍戸です。
今回は割とインパクトの強く、長いタイトルとなりましたが、内容を軽くご説明します。
昨今マウスピース矯正は日常診療の中でも割と受け入れられ、市民権を得るような形で歯科治療の中に溶け込んでいます。
しかし、普及している現在、伴ってトラブルとなっているよいうな残念な口腔内を見ることも増えてしまいました。
経験値乏しい歯医者の元治療を行ったり、治療計画に無理があったと考えられるケースです。
今回はそんな中、治療を行なって後悔したこと、後悔しないようにするために知っておくべきポイントをまとめましたので、併せて解説していきたいと思います。
現在マウスピース矯正をされている方や今後検討している方へ向けてのコラムとなります。
マウスピース矯正を行なって後悔する可能性のあること
① 噛み合わせが悪くなった
歯列矯正では歯並びが改善されると同時に、噛み合わせも変化します。治療終了時に噛み合わせがしっかりと調整されていない場合、かえって治療前よりも噛み合わせが悪化してしまうことがあります。そのため、噛み合わせの最終調整は非常に重要です。中にはそもそも噛み合わせではなく、見た目の仕上がりを求めているケースも残念ながらみることもあります。
② 治療が計画した期間内で終わらなかった
矯正治療は一般的に2〜3年の期間がかかることが多いですが、治療の進行具合や患者さんの協力度合いによって、予定よりも治療が長引くことがあります。特に、マウスピースの装着時間が指示通りに守られていない場合には、歯の移動が遅れ、治療が予定通りに進まないことがあります。
③ 別の矯正装置がよかったのではないか
インビザラインは取り外し可能な矯正装置であるため、自己管理が重要になります。自己管理が難しい方や、装着時間を守るのが困難な場合、固定式のワイヤー矯正の方が適していたのではないかと感じる方もいるようです。どちらの方法が自分に合うか、事前によく検討することが大切です。
④ 歯を削る処置が必要になった
インビザラインでは、必要に応じてIPR(歯の表面を少し削る処置)が行われることがあります。これは抜歯の代わりとしてスペースを作るために行われますが、エナメル質の範囲内で行われるため、痛みや虫歯のリスクが増すことはありません。それでも、歯を削ることに不安を感じる方もいらっしゃいます。
⑤ 予想以上に痛い
インビザラインは、通常のワイヤー矯正に比べて痛みが少ないとされていますが、初めて装着した際や新しいマウスピースに交換した際には締め付けるような痛みを感じることがあります。矯正治療全般において、歯が動く際に多少の痛みが伴うことは避けられません。
⑥ 予想以上に費用がかかる
インビザラインの矯正費用は、基本的な矯正料金だけでなく、検査料や調整料などがかかります。また、マウスピースの装着が不十分だと、再作成が必要になり通院回数も増えるため、その分費用もかさんでしまいます。治療費を抑えるためにも、指示された装着時間をしっかり守ることが大切です。
⑦ 歯周病が悪化した
マウスピース矯正は取り外しが可能なため、ワイヤー矯正に比べてセルフケアがしやすいとされています。しかし、毎日の歯磨きが不十分であれば、歯周病が悪化するリスクは依然として存在します。歯の健康を維持するためには、しっかりとした口腔ケアが欠かせません。
⑧ 歯茎が下がった
矯正治療によって歯が整った結果、歯と歯の間に隙間(ブラックトライアングル)が目立つことがあります。これは、歯茎が改善されていない場合に起こりやすい現象で、大人の矯正治療では特に見られます。病的な状態ではありませんが、見た目を気にする方には不安の原因になることがあります。
⑨ 矯正期間が長い
矯正治療全般に言えることですが、1~3年の長期にわたる治療期間が必要です。治療が始まってみると、思った以上に長く感じる方もおられるようです。この点については事前に覚悟を持って取り組むことが求められます。
⑩ 治療後に後戻りが起きた
矯正治療終了後も、歯は元の位置に戻ろうとするため、保定期間中にリテーナーを装着する必要があります。リテーナーの使用を怠ると、せっかく整えた歯並びが元に戻ってしまうことがあるため、保定装置を正しく使用することが重要です。
⑪ 装着時間が長い
インビザラインでは、1日20時間以上の装着が必要です。日常生活の中でこの装着時間を守ることが難しいと感じる方も多く、治療開始後にその大変さに気づくことがあります。装着時間が足りないと、治療が進まず、結果的に治療期間が延びる原因になります。
⑫ 治療結果に納得できない
矯正治療が終了した際、思っていた仕上がりと違い、不満を感じる方もいます。そのため、事前のカウンセリングで治療のゴールやメリット・デメリット、費用についてしっかり確認し、期待と現実のギャップを少なくすることが重要です。
後悔しないよう知っておくべきポイント
① 矯正中のケア方法を正しく学ぶ
インビザライン(マウスピース型矯正装置 ※薬機法対象外)では、歯の表面にアタッチメントという装置を付けます。このアタッチメントの周りには汚れが溜まりやすく、20時間以上マウスピースを装着していると唾液の働きが制限され、虫歯のリスクが高まります。正しい清掃方法を学び、常に清潔な状態でマウスピースを装着することが、虫歯の予防に繋がります。
② 予約通りに通院する
無断キャンセルや頻繁な予約変更は、治療の進行に影響を与えることがあります。やむを得ない事情がある場合を除き、予約通りに通院することを心がけましょう。これにより、予定通りのスムーズな治療が期待できます。
③ 保定装置(リテーナー)をきちんと使う
矯正治療で整えた歯並びは、保定装置(リテーナー)を使って固定する必要があります。リテーナーをしっかり装着すれば、矯正後に歯が元の位置に戻る「後戻り」を防ぐことができます。保定期間中は、リテーナーの使用を怠らないようにしましょう。
④ 正確な情報に基づいて矯正方法を選ぶ
各矯正装置の特徴や治療内容をしっかりと理解し、自分に最も合った方法を選ぶことが重要です。矯正方法を決める際は、担当医師とよく相談し、情報を基に納得のいく選択をしましょう。
⑤ 治療についての十分な理解を持つ
治療を始める前に、医師としっかりカウンセリングを行い、治療内容、費用、期間、リスクなどを詳しく確認しましょう。十分に納得した上で治療を開始することで、後悔を防ぐことができます
監修
院長 宍戸 孝太郎
資格・所属学会
- 厚生労働省認定歯科医師臨床研修医指導医
- SBC(Surgical Basic Course 歯周形成外科コース)インストラクター
- SAC講師
- club SBC
- 日本口腔インプラント学会認定医
- 日本口腔外科学会会員