目次
噛み合わせのお話
こんにちは。
中目黒南口改札より徒歩1分の歯医者・歯科「中目黒BIANCA歯科矯正歯科」院長の宍戸です。
今回から噛み合わせについてのコラムを記載していきたいと思います。
当院は矯正歯科なので噛み合わせは切り離せない関係にありますね。
どんな噛み合わせが理想で、よくないとされているものがどういうものか、その症状やご自身でできるセルフチェックも含めて
徹底的に解説していきます。
よろしくお願いします。
まず理想的な噛み合わせとは??
一体何が良い形の噛み合わせなのか。複数の目線で見ることが重要になります。
以下にあげていきます。
前歯における、前後の位置関係
噛んだ時の上下の歯の位置関係を「オーバージェット」、「オーバーバイト」と表現します。
①オーバージェット
上下の前歯の水平的(前後的)な関係のことです。
一般的に出っ歯と呼ばれる上顎前突のときはこの数値が大きくなり、反対に受け口と呼ばれる下顎前突のときはマイナスの値になります。
②オーバーバイト
上下の前歯の歯の垂直的な関係のことです。
上の前歯が深くかぶさり、下の歯が見えなくなっているとこの数値が大きくなります。
マイナスになるというのは、前歯が噛み合っていない状態です。つまり受け口となります。
バイトもジェットも1mmから2mm程度が理想とされてます。
奥歯(臼歯)における、歯の位置関係
歯一本に対し、反対の歯2本が噛み合います。これを1歯対2歯の関係といいます。
例えば、上の前(写真では左から)から4番目の歯は、下の歯と2本で噛み合っています。それ以外も同様です。
矯正で理想の形にしあげていくわけです。
歯列(歯の並び)の形
歯の大きさに対し十分なスペースがある歯列かどうかを確認します。スペースが足りないと歯が重なったり、外に出たり凸凹します。
上下顎ともにU時のアーチの形になっていると理想的とされています。
また、一般的に下の歯列は上の歯列の内側にあります。
では一体難しい歯並びや噛み合わせの不正は何をさしているのでしょう。
次に噛み合わせ不良=不正咬合とは?
噛み合わせ不良つまり不正咬合とは、歯が正しく噛み合っていない状態を指します。
多くの人は「歯の問題」として捉えがちですが、実際には歯の生え方だけではなく、顎の成長異常によって引き起こされることも多くあります。また、指しゃぶりや舌癖などの習慣も不正咬合の原因となることがあり、一部のケースでは遺伝的な要因も強く影響します。
不正咬合には多くの種類があります。次回以降でその種類と対応などについてコラムで記載していきます。
そして不正咬合は、咀嚼や発音に支障をきたすだけでなく、顎の発育や顎関節に悪影響を与える可能性があり、見た目を気にすることによる心理的なストレスを引き起こすこともあります。今回はその影響についてフォーカスをあてていきます。
不正咬合によって引き起こされる影響とは?
肩こりや頭痛
顎は大きな筋肉によって支えられており、噛み合わせが悪かったりすると、咬筋や側頭筋などの咀嚼筋のバランスが崩れることがあります。
これがすべてではないですが、原因の一つとして、肩こりや頭痛を引き起こすことがあります。
虫歯・歯周病のリスクが高まる
歯並びが悪いと、単純に歯と歯の間に食べカスが溜まりやすくなり、歯ブラシでの清掃が不十分になることが多いです。
また、噛み合わせが悪いことで、うまくものが噛めず、咀嚼効率が低下し、咀嚼回数が減ることで唾液の分泌も減少します。
この清掃不良と唾液量の減少が重なると、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
さらに、噛み合わせのバランスが崩れ、いつも特定の歯ばかりに過度な負担がかかると、歯周病の進行が悪化する原因にもなります。
力が入らない
こちらは賛否両論ありますが、スポーツ選手が食いしばることで力を発揮する姿やを話しを耳にしたことがあるかもしれません。
しかし、奥歯の噛み合わせが悪いと、食いしばることが難しくなり、力を十分に発揮できなくなる場合もあります。
スポーツマウスピースなどがそのためにあります。
全身状態への影響
上記しましたが、噛み合わせが悪いと、咀嚼効率が低下し、食べ物を十分に噛まずに、そのまま飲み込んでしまうことが多くなります。
その結果、消化器に負担がかかり、胃炎や大腸炎などの消化器系の不調が起こりやすくなってしまいます。
噛み合わせから全身へのリスクとなることがあります。
顎関節症のリスク
噛み合わせの根本を支えているのは、顎です。
噛み合わせが悪い場合、一部の歯が過度に接触したり、全く接触しない歯があると、噛み合わせのバランスが崩れ、顎関節に大きな負担がかかります。
が、ほとんどの場合、それを許容して人は生活します。これにより、顎関節症のリスクが高まります。
気がついたら症状がでていたということはよく見かけます。
耳、鼻、喉の疾患
出っ歯や受け口などで口を閉じにくい人は、口呼吸が増えることがあります。これは幼少期の頃から症状としてでることが多いです。
これが原因で、鼻炎や扁桃炎など、耳鼻咽喉の不調を引き起こしやすくなります。
今度は自身で噛み合わせをチェックできるセルフチェックについてです。
セルフチェックでできる噛み合わせチェック
①唇の閉じ具合チェック
上唇と下唇を軽く合わせ、上下の歯が触れない状態を確認してください。通常、平常時に上下の歯が触れない状態が正常です。
次のような方は注意が必要です
- 唇が閉じずに、歯が見えてしまう
- 上の前歯が下唇を噛んでしまう
- 上唇が下唇に隠れてしまう
②奥歯のチェック
奥歯でしっかり噛んだ状態で、人差し指を使って頬を広げ、歯を確認してください。
以下の状態が見られる場合は注意が必要です:
- 上下の歯の間に大きな隙間があり、舌が見える
- 一部の下の歯が上の歯より外側に出ている
③左右のバランスチェック
割りばしを横向きに前歯で噛んでみてください。
- 割りばしが水平にならず、斜めになる場合は注意が必要です。
まとめ
人は鏡で歯を見ると、つい前歯に目が行きがちですが、実際にはしっかり噛むためには奥歯の噛み合わせが非常に重要です。
つまり機能です。機能を求めると審美がついてきます。
噛み合わせが悪いと、全身にさまざまな不調を引き起こすこともあるため、噛み合わせは健康にとって欠かせない要素でなのす。
もし、今回のコラムで記載した症状やセルフチェックなどで気になることがあれば、どうぞ中目黒BIANCA歯科矯正歯科までお気軽にご相談ください。
監修
院長 宍戸 孝太郎
資格・所属学会
- 厚生労働省認定歯科医師臨床研修医指導医
- SBC(Surgical Basic Course 歯周形成外科コース)インストラクター
- SAC講師
- club SBC
- 日本口腔インプラント学会認定医
- 日本口腔外科学会会員