歯周病の症状、治療法、予防法、ご自宅でできるケアについて
こんにちは。
中目黒南口改札より徒歩1分の歯医者・歯科「中目黒BIANCA歯科矯正歯科」院長の宍戸です。
本日は歯周病のお話をします。以前もコラムを書かせていただきましたが、初めてこの記事をご覧いただく方もいらっしゃると思いますので、今回改めてご説明いたします。
歯周病は、歯を支える組織(歯肉、歯槽骨、歯根膜)に炎症を引き起こす疾患であり、初期段階の歯肉炎(歯茎のみに炎症がおきている)から進行した歯周炎(骨を溶かす状態)まで様々な形態をとります。この記事では、歯周病の症状、治療法、予防法、自宅でできるケアについて、最新のエビデンスに基づいて中目黒の歯医者が解説していきます。お口の中でお困りの方はぜひ参考にしてみてください。
歯周病の症状
1. 歯肉の炎症と出血
歯周病の初期段階である歯肉炎では、歯肉のみに炎症が見られます。歯肉が赤く腫れ、ブラッシングやフロスの使用時に出血することがあります。この段階で適切なケアを行えば、炎症を完全に抑えることができます。上記した体が出すサイン(出血や腫れ)について、まぁ大丈夫かというように見逃さないようにすることが重要です。
2. 口臭
歯周病に罹患すると、口臭が発生することがあります。これは、歯周ポケット内で細菌が増殖し、揮発性硫黄化合物を産生するためです。
3. 歯肉の退縮と歯の動揺
進行した歯周炎では、歯肉が退縮し、気がつくと歯が長く見えるようになります。さらに、歯を支える骨が破壊されるため、歯の動揺(モビリティ)が見られ、最終的には歯の喪失に至ることもあります。歯周病の怖いところは末期にならないと症状として見えにくいというものもあります。
4. 歯周ポケットの形成
歯周炎では、歯と歯肉の間に歯周ポケットという歯肉に溝が形成されます。このポケットは細菌の温床となり、さらに深くなることで病状が悪化していきます。歯周ポケットの深さは、通常2,3mm程度で歯科、歯科衛生士によるプロービングで測定されます。
歯周病の治療法
治療法は様々ありますが、組み合わせることでより効果を発揮します。
1. スケーリングとルートプレーニング
歯周病治療の基本は、なんといってもスケーリングとルートプレーニングです。スケーリングでは、歯石やプラークを機械的に除去します。ルートプレーニングでは、歯根面を滑らかにして細菌の再付着を防ぎます。直接機械的に、炎症の原因を取り除くことを目的としています。
2. 抗菌療法
抗菌療法は、抗生物質の使用を含む治療法です。局所的な抗生物質の適用(例えばアジスロマイシンなど)や全身的な抗生物質の処方が行われることがあります。これにより、深部の感染を抑制します。しかし、単独の使用での治療は不可能です。他の治療と合わせることで、より効果を発揮します。
お薬のみで治ることはまず、ありえませんので、ご注意ください。
3. レーザー治療
レーザー治療は、比較的歯周病治療の新しいアプローチです。レーザー光線を用いて、歯周ポケット内の病原菌を殺菌し、組織の再生を促進します。レーザー治療にも種類があり、その特徴としては痛みが少なく、治癒期間が短いという利点があります。
4. 外科的治療
進行した歯周炎の場合、外科的治療が必要になることもあります。オープンフラップ手術では、歯肉を切開して根面を露出させ、深部のプラークや歯石を除去します。骨再生手術(骨移植や誘導再生療法)は、失われた骨を再生させるために行われます。中目黒BIANCA歯科矯正歯科が得意としている治療のうちのひとつです。
歯周病の予防法
1. 日常の口腔ケア
歯周病予防の基本のキは、日常の口腔ケアにあります。正しい歯磨き方法とフロスの使用は欠かすことができません。
歯ブラシは少なくとも1日2回、フロスは1日1回使用すること(できれば就寝前)が推奨されます。歯ブラシは小さいヘッドのものを選び、2〜3ヶ月ごとに交換しましょう。別コラムで歯ブラシの選び方も記載しております。ぜひご参照ください。
2. 定期的な歯科検診
定期的な歯科検診とプロフェッショナルクリーニングは、歯周病の早期発見と予防に非常に重要です。半年に一度の検診が一般的ですが、歯周病リスクの高い人はより頻繁な検診が推奨されることもあります。中目黒BIANCA歯科矯正歯科では、予防に力をいれており、その患者様ごとにメンテナンス頻度もことなります。
3. 健康的な食生活
栄養バランスの取れた食生活も歯周病予防に関係します。不飽和脂肪酸、ビタミンCやビタミンD、カルシウムなど、歯と骨の健康に必要な栄養素を適切に摂取しましょう。砂糖や精製炭水化物の過剰摂取はプラーク形成を促進するため、控えるようにします。この食生活は歯周病と関係があるのでまた別途記事にしていきます。お楽しみにしてください。
4. 禁煙
残念ながら、喫煙は歯周病のリスクを大幅に高めます。喫煙者は非喫煙者に比べて歯周病に罹患する確率が高く、治療の効果も低くなります。禁煙は歯周病予防において重要なステップとなっています。こちらも過去のコラムをご参照ください。
ご家庭でできるケア
今回できるかぎりお伝えしたいことがここです。
下記にまとめました。
1. 正しい歯磨きとフロスの使用
ご自宅でできる最も基本的なケアは、正しい歯磨きとフロスの使用です。たくさんの方法がありますが歯ブラシは45度の角度で歯肉に当てるスクラビング法、小90度で磨くバス法というのがあります。フロスは歯間に挿入し、C字型にして歯面に沿って上下に動かします。
中目黒BIANCA歯科矯正歯科でも積極的に指導を行なっております。お困りの方はぜひ、ご相談ください。
2. 洗口剤の使用
市販の洗口剤(マウスウォッシュ)は、補助的なケアとして有効です。ですが、あくまで補助としてです。
クロルヘキシジンやエッセンシャルオイルを含む洗口剤は、プラークを減少させ、口臭を抑える効果があります。ただし、過度の使用は口腔内のバランスを崩すことがあるため、適度な使用が推奨されます。単独での使用ではなく、ブラッシングと併用しましょう。
3. プロバイオティクスの摂取
いわゆるサプリメントとなります。プロバイオティクス(善玉菌)は、口腔内のバクテリアバランスを改善する可能性があります。プロバイオティクスサプリメントや、ヨーグルトなどの発酵食品を摂取することは、研究で歯周病予防に役立つとされています。
結論
歯周病は、適切な予防と早期の治療可能な疾患です。治すことができるのです。日常的な口腔ケア、定期的な歯科検診、日々の生活習慣を通じて、歯周病のリスクを低減することができます。また、進行した場合でも、専門的な治療を受けることで症状を改善し、元の健康な口腔環境を取り戻すことが可能です。エビデンスに基づいた情報を元に、適切できちんとしたケアを続けることが、歯周病予防の鍵となります。
監修
院長 宍戸 孝太郎
資格・所属学会
- 厚生労働省認定歯科医師臨床研修医指導医
- SBC(Surgical Basic Course 歯周形成外科コース)インストラクター
- SAC講師
- club SBC
- 日本口腔インプラント学会認定医
- 日本口腔外科学会会員