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知覚過敏について
こんにちは。
中目黒南口改札より徒歩1分の歯医者・歯科「中目黒BIANCA歯科矯正歯科」院長の宍戸です。
ジメジメした日が続きますが、夏の蒸し暑さで冷たいものをよく食べる時期になってきました。冷たいものを召し上がった時に痛みは感じたりしませんか?
今回は前半と後半にわけて知覚過敏について説明していきたいと思います。
知覚過敏とは
特に虫歯や神経の炎症といった病変が見られない歯なのに、歯ブラシの毛先が触れたときや、冷たいものや甘いものを摂取した際に感じる一時的な痛みのことを指します。
知覚過敏は、刺激を受けてから約10秒ほどでしみや痛みが消えることが多く、持続せず、長くても1分以内には収まるのが特徴です。持続する場合は別の病気を疑います。
では、そのメカニズムを説明します。
知覚過敏が起きるメカニズムとは
知覚過敏は、歯周病や加齢などによって歯の根元部分の象牙質が露出することで発生します。健康な状態では、象牙質はエナメル質と歯肉に覆われており、冷たい刺激などから保護されています。しかし、歯周病が進行したり、加齢、不適切なブラッシング、または不正な噛み合わせによって歯茎が下がると、歯の根元の象牙質が露出してしまいます。
象牙質には、歯髄(神経)につながる無数の穴(象牙細管)が開いているため、刺激が加わるとその穴を通じて神経に伝わり、痛みを感じることになります。この痛みは一時的であり、刺激がなくなると痛みも消えます。これが知覚過敏のメカニズムとなっています。
ではその原因や虫歯との違いはなんでしょうか?
知覚過敏の原因
知覚過敏は、歯の中にある象牙質が何らかの原因で露出することによって生じることが多いです。上記のメカニズムでお伝えしたとおり、象牙質が露出すると、冷たいものや熱いもの、酸味や甘味などの刺激で痛みを感じやすくなります。
象牙質の露出による知覚過敏の原因
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歯ぎしり・食いしばり
- 歯ぎしりや食いしばりによって歯に亀裂が入り、エナメル質が損傷して象牙質が露出します。ブラキシズムとも呼びます。
- 特に歯の根元の部分に負担がかかり、欠けやすくなります。
- さらに歯ぎしりが進むと、エナメル質がすり減り、象牙質が露出します。力のある人は要注意です。
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不適切なブラッシング
- 強い力で歯を磨いたり、硬い歯ブラシを使用すると、エナメル質が削られて象牙質が露出します。
- 歯茎が下がってしまうと、歯根のセメント質が露出し、これが歯磨きによってさらに削られることがあります。
- 小さな欠けができた部分に強い力が加わると、さらに欠けが大きくなり、象牙質が露出することがあります。
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酸性の食べ物
- 酸性の強い食品(柑橘類、酢、炭酸飲料など)や逆流した胃液が歯に触れると、エナメル質が溶けて象牙質が露出することがあります。
- 酸で溶けた歯を「酸蝕歯」と呼びます。象牙質も酸に弱いため、さらに進行すると象牙質も溶けやすくなります。
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歯の破折(ひびや割れ)
- 転倒や顔をぶつけるなどして歯が割れると、象牙質が露出することがあります。
- 特に歯の神経を過去にとっているなどされている方は、われやすかったりします。なんでもない天然歯でも稀におこします。
象牙質の露出以外による知覚過敏の原因
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虫歯の治療後
- 虫歯治療で歯を削った際、歯の神経が敏感になり、知覚過敏を感じることがあります。実はセラミックの方が銀色の詰め物をする時より、歯を削る量が多いため、リスクなど十二分に検討する必要があります。
- 時間が経つと症状が治まることもありますが、痛みが続く場合は神経を取る処置が必要になることがあります。
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ホワイトニング
- ホワイトニングで使用される薬剤の影響で、一時的に知覚過敏が起こることがあります。
- 症状が強い場合はホワイトニングを中断し、様子を見ると改善することが多いです。家庭で行うホームホワイトニングでは、1~2日間の中断で症状が治まることがよくあります。
虫歯と知覚過敏の違い
知覚過敏による痛みと虫歯の痛みは非常に似ているため、患者様にとってみると判別するのが難しいことがあります。どちらも冷たいものや甘いものを食べた際にしみたり、痛みを感じますが、痛みの感じ方や症状には違いがあります。実際には歯科医院に行き、診断してもらうことがベストだと思います。
知覚過敏の特徴
- 痛みが一時的
知覚過敏による痛みは、冷たいものや刺激が加わった時に一時的に感じますが、すぐに治まります。 - 歯を叩いた時の痛みがない
知覚過敏では、歯を叩いても響くような痛みは感じません。
虫歯の特徴
- 痛みが長引く
虫歯が進行すると、刺激がなくても痛みが続くことがあります。一瞬では終わらないことが多いです。 - 歯を叩くと痛むことがある
虫歯が進むと、進行具合にもよりますが、歯を軽く叩くだけで響くような痛みを感じることがあります。 - すべての歯に発生する可能性
虫歯は前歯や奥歯、どの歯でも発生する可能性があり、特に「歯と歯の間」「歯茎の付近」「奥歯の溝」などにできやすいです。
監修
院長 宍戸 孝太郎
資格・所属学会
- 厚生労働省認定歯科医師臨床研修医指導医
- SBC(Surgical Basic Course 歯周形成外科コース)インストラクター
- SAC講師
- club SBC
- 日本口腔インプラント学会認定医
- 日本口腔外科学会会員