親知らずについて
中目黒徒歩1分の歯医者・歯科「中目黒BIANCA歯科矯正歯科」院長の宍戸です。
よく親知らずに関してのご相談、ご質問を受けることが非常に多いので、今回はそちらをコラムに書かせてもらいました。
親知らずが腫れたり傷んでいる方や矯正などでも抜歯が必要になったなど今後手術を受けられる方のご参考になれば幸いです。
まずはどんな症状がでるのか、抜歯するとなったらどんな手術になるのか、その後の注意事項はどうすればよいのかを分けて解説していきますね。
親知らずの悪さする症状
親知らずは第三大臼歯、智歯のことを表しています。一概に決まった年齢はありませんが、通常約17歳から25歳の間に生え始めます。しかし、現代人の顎が進化する過程で小さくなってきているため、親知らずが正常に生えるスペースが不足し、萌えない方もいます。そのためさまざまな問題を引き起こします。
以下は、親知らずが悪さする際に見られる主な症状です。
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痛みと腫れ: 親知らずが部分的に生えたり(半埋伏)、完全に骨の中に埋もれている(埋伏)場合でも、周囲の組織が炎症を起こし、痛みや腫れを引き起こします。割合として歯ぐきの後ろ側が腫れて痛むことが多いです。
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感染症(智歯周囲炎): 親知らずが部分的にしか生えないと、歯と歯ぐきの間にプラークが溜まりやすく、感染症(智歯周囲炎)を引き起こすことがあります。これにより、1のような痛み、腫れ、口臭、膿の排出が見られます。
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歯並びの乱れ: 親知らずが他の歯を後ろから押すことで、歯並びが乱れることがあります。特に過去矯正治療経験がある若年齢の方にとっては大きな問題となります。
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顎の痛みや頭痛: 親知らずの萌出する力が顎関節に影響を及ぼし、顎の痛みや頭痛などを引き起こすことがあります。
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嚥下障害や開口障害: 親知らずに重度の炎症や感染があると、飲み込むのが難しくなったり、口を開けるのが困難になることがあります。周囲の筋肉や組織に影響がでるためです。
手術内容
中目黒BIANCA歯科矯正歯科での親知らずの抜歯手術は、口腔外科領域を研鑽し続けてきた院長宍戸によって行われます。
以下で手術の流れをご説明します。
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診断と計画: まず初めにX線検査(パノラマ、CT写真)を行い、親知らずの位置、角度、周囲の神経や骨との関係を確認します。これに基づき、抜歯の方法を決定します。
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麻酔: 手術前に局所麻酔を行います。必要に応じて鎮静剤や全身麻酔を使用することもあります。当院では、全身麻酔はおこなっておりませんので必要があると判断された場合は協力市民病院へのご紹介となります。患者様の状態や手術の難易度に応じて選択されます。
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歯肉切開: 親知らずが埋伏している場合、歯肉を切開して歯にアクセスします。その後、埋伏具合(埋まり具合)にて骨を少し削ることもあります。
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歯の分割: 親知らずがアクセスホールに対して大きく、一度に抜くのが難しい場合、歯を数個の部分に分割して取り除きます。金太郎飴の要領です。この手法は手術のリスクを減らします。
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抜歯: 分割した歯や骨の中にある歯を取り除きます。手術器具を使用して慎重に歯を取り出します。
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縫合: 必要に応じて、切開した歯肉を縫合します。非吸収性の糸を使用する場合が多く、約一週間後に抜糸が必要です。
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術後指導: 手術後、当院中目黒BIANCA歯科矯正歯科では患者様に対してアフターケアの指導を行います。これには、痛みの管理、出血の対処法、感染予防などが含まれます。
おおまかな手術の流れは上記のようになりますが、状況や状態によっては術式や麻酔法、治癒を促すための歯科材料や高濃度ビタミン注射などの使用もあります。
手術後の注意事項
親知らずの抜歯手術後の回復をなるべく促し、術後の合併症を防ぐためには、以下の注意事項を守ることが重要です。
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出血の管理: 手術後最低30分はガーゼを噛んで圧迫止血を行います。出血が続く場合は、氷嚢を当てるか、医師に相談します。当日の激しい運動や飲酒は出血を悪化させるため避けます。
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痛みの管理: 医師から処方された鎮痛剤を服用します。過剰な痛みや腫れが続く場合は、医師に相談します。氷嚢を用いると腫れや痛みを軽減できますが、治癒を妨げてしまうので、積極的にはおすすめしません。
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口腔衛生の維持: 手術当日は血餅(いわゆるかさぶたです)が外れるため、強いうがいを避け、翌日からはぬるま湯で軽いうがいを行います。歯磨きは手術部位を避けて行い、感染を防ぐために清潔を保ちます。
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食事: 手術後数日はなるべく柔らかい食事を摂り、硬い食べ物や刺激物は避けた方が安心です。飲み物も温度が極端なものは避けましょう。
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禁煙: これが最も術後良くありません。喫煙は治癒を遅らせ、感染のリスクを高めます。可能な限り手術後は喫煙を控えるようお願いしております。
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腫れとあざ: 手術後、腫れやあざが出ることがありますが、これは通常数日から1週間程度で改善します。
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フォローアップ: 指示された通りにフォローアップの診察を受け、回復状況を確認します。だいたい術後1週間後に抜糸をし、異常があれば、経過を追います。
まとめ
親知らずは、他の歯と比較すると、通常通りに生えないことが多く、痛みや感染、歯並びの乱れなどさまざまな問題を引き起こします。これらの問題が生じた場合、親知らずの抜歯手術が必要となります。
抜歯手術は口腔外科医によって行われ、手術後の適切なケアが回復をスムーズにし、術後の感染症を防ぐために重要です。エビデンスに基づいた手術とアフターケアを遵守することで、患者の快適な回復が期待できます。以下に参考論文をつけます。
参考文献
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親知らずでお困りでしたら中目黒BIANCA歯科矯正歯科へ
今回は親知らずについてコラムをかかせていただきました。
親知らずでお困りの方はかなりいます。また大学病院や一般病院口腔外科での治療が多いと思いますが、日程や予定が合わないなどのお悩みも耳にします。
中目黒BIANCA歯科矯正歯科では、適切な検査と責任をもった治療を提供しています。親知らずの抜歯も行なっております。
また当院では、カウンセリングや説明の時間を重視しており、ゆったりした時間を設け、患者様が治療の内容を十分に理解し、納得した上で治療に進むことができるように努めています。
親知らず、口腔外科についてお悩み中の方でより詳しく知りたい方は、中目黒BIANCA歯科矯正歯科にてご相談・ご来院をお待ちしております。
中目黒駅徒歩1分の歯科・歯医者 『中目黒BIANCA歯科矯正歯科』
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監修
院長 宍戸 孝太郎
資格・所属学会
- 厚生労働省認定歯科医師臨床研修医指導医
- SBC(Surgical Basic Course 歯周形成外科コース)インストラクター
- SAC講師
- club SBC
- 日本口腔インプラント学会認定医
- 日本口腔外科学会会員